リハビリテーションセンター
挨拶
リハビリテーション科医長心得 リハビリテーションセンター長心得 |
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笠松 優衣 |
平成28年6月1日から当院リハビリテーション科は、リハビリテーションセンターに改名しまして更なるリハビリテーション医療に貢献いたします。
和歌山県のリハビリテーション基本指針は平成18年11月に策定されました。
これは、障害のある人や高齢者をはじめすべての和歌山県民が住み慣れた地域において、生涯を通じて、できる限り自立した生活を送ることができるよう、疾病の発症、社会的自立に至るまでの過程のなかでそれぞれに応じた適切なリハビリテーションを提供される体制づくりをまとめられました。
当院のリハビリテーションセンターは、急性期リハビリテーションそして回復期リハビリテーション病棟において理学療法、作業療法、言語療法を365日、連続した機能回復訓練社会復帰支援を計画し患者自身の能力向上、生活様式の評価、行政福祉サービスの申請等を行いながら社会全体への復権にむけた取り組みを行っていきます。
特に今年度はロボットリハビリテーションに取り組んでいます。理学療法では歩行アシスト、作業療法ではH-200、言語
療法ではバイタルステム 等最先端医療を提供できるように努力していきます。
下記には、当院リハビリテーションセンターの活動内容となっております。
- 1)地域リハビリテーション広域支援センター (和歌山県指定)
(ア)地域住民のリハビリ相談への対応に係る支援
(イ)福祉用具の意見書、作製の判断、住宅改修の相談に係る支援
(ウ)リハビリテーション関連の講演会の開催 年2回 - 地域包括ケア病棟の開設
リハビリテーションセンター特色
リハビリテーション科技師長 リハビリテーション副センター長 青石 博文 |
理学療法
Honda歩行アシスト
当院では「Honda歩行アシスト」を導入しています。近年、歩行補助ロボットを用いた歩行練習が着目されています。Hondaが研究開発した歩行アシストは股関節の屈曲伸展運動をアシストし、効率の良い歩行を構築する為の歩行支援機器です。
対象疾患は脳卒中、パーキンソン病、整形疾患(骨折や人工関節置換術)など、歩く力が低下している多様な方が対象となります。歩行能力としては、自立されているか、わずかな介助や見守りが必要な方が対象となります。
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(*)歩行アシストについての詳細はHondaのHPをご覧下さい。
作業療法
川平法:
脳梗塞後、脊髄損傷後の患者さんの上肢手指麻痺に対しては、促通反復運動と併用して電気刺激療法を取り入れて随意運動の機能向上・生活で使用することを目標にしています。
「伊藤超短波 |
機能的電気刺激(FES) ロボット療法:
脳梗塞後、脊髄損傷後の患者さんの上肢手指麻痺に対しては、筋肉をコンピューター制御の電気刺激で動かして、随意運動を促進していきます。
「機能的電気刺激(FES) H200(France BeD)」 |
言語聴覚療法
【摂食嚥下訓練】
当院では、バイタルスティム・舌圧測定器・Threshold PEP等を使用し、摂食嚥下関連筋に対して機器を用いた摂食嚥下リハビリテーションを提供いたします。
●VitalStim療法
神経筋電気刺激装置を使用し、摂食嚥下関連筋(舌骨上筋群)の強化を行い摂食嚥下機能の回復を目指します。
バイタルスティム |
バイタルスティム ポータブル |
●舌圧測定器・舌トレーニング
舌には、「可動域」「筋力」「巧緻性」「持久力」が求められます。
舌圧測定器を使用し、口腔機能のスクリーニング・舌機能の筋力強化及び効果確認を行ない咀嚼機能の向上を目指します。
リハビリ科紹介
理学療法
理学療法の目的は運動機能の回復及び日常生活活動(ADL)の改善を図り、最終的にはQOL(生活の質)の向上を目指します。病気・けが・高齢などで寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなど不自由な方には適切な運動療法を実施します。当院では、病気・障害があっても住み慣れた街で、自分らしく暮らせることを目標としています。当科ではリハビリ専門医が常勤であり、脳卒中などの脳血管疾患や当院整形外科による人工関節置換術(股関節・膝関節)での運動器疾患、内科・外科疾患患者様と多様なリハビリテーションに携わっています。
理学療法士(PT) 一般・地域包括ケア病棟スタッフ(10名)
理学療法室
窓側は全面ガラスで、太陽の光が降り注ぎます。
理学療法室 治療場面
作業療法
作業療法は、その人が活き活きとした生活が送れるよう、仕事・遊び・日常的な生活行為などさまざまな「作業」を通して、「こころとからだが元気になる」リハビリテーションの技術です。
当院では、脳梗塞後・骨折後の治療、トイレ動作・食事・着替えなどの日常生活動作、家事や買い物の練習、高次脳機能障害に対するアプローチ、手工芸の余暇活動など、その人らしい生活を送れるように手助けしていきます。
また、手すり設置などの住宅改修・その人に合った車椅子など福祉用具提供・自助具の作成などをアドバイスしていきます。
作業療法士(OT) 一般・地域包括ケア病棟スタッフ(7名)
作業療法室
和室での移動、調理練習など日常で必要な動作を練習します。
言語聴覚療法
言葉の表出・理解が困難な方、注意障害・記憶障害をはじめとする高次機能障害を呈されている方、呂律が回らない等の構音に障害のある方に対して言語聴覚療法を通じてコミュニケーション能力の向上に努めています。また食物を認知する・咀しゃくする・送り込む・嚥下反射などが認知の低下・運動低下によって障害された方に対しては、VE・VF検査、摂食嚥下評価を行い、どの場所で問題が起こっているのかを明確にし、摂食嚥下機能の向上をはかります。また、食事支援、口腔ケアや嗽を含む整容など生活場面に即してアプローチをしていきます。
神経心理学的検査(一部抜粋)
●標準失語症検査(SLTA) ●遂行機能障害症候群の行動評価(BADS)
●標準注意検査法・標準意欲評価法(CAT・CAS) ●WAIS-Ⅲ成人知能検査
●日本版リバーミード行動記憶検査(RBMT)
言語聴覚士(ST) 本館病棟スタッフ(2名)
摂食嚥下障害のVE検査を行います |
摂食・嚥下チーム
平成21年4月より「摂食・嚥下チーム」を発足し、リハビリテーション医師、言語聴覚士、摂食・嚥下障害看護認定看護師、管理栄養士、病棟看護師が月1回の摂食・嚥下カンファレンスを実施しています。
摂食嚥下障害患者様の摂食嚥下機能、リハビリテーション進捗状況、訓練内容、食形態、食事姿勢、栄養状態、介助方法の報告・検討を行っています。また、嚥下食、補助食品を試食し摂食嚥下障害患者様への適合性を判断しています。各職種の専門性を生かしたカンファレンスを実施することで、食べる機能の回復や肺炎を防止し、日常生活における活動性の向上を目指します。